少し前の放映になりますが、NHKの「きょうの健康」で

  

 薬ののみ合わせについての話がありました。

  

 東京大学大学院 澤田 康文先生のお話です。

   
 
    

 1つ問題です。

 

  「ビスホスホネート」(骨粗しょう症の処方薬)と一緒に摂ってはいけないのはどれでしょうか。

 

  ①処方薬のカルシウム剤   ②市販薬のカルシウム剤 

 

  ③健康食品のカルシウム  ④飲食物 牛乳

 

  答えは 全て「ビスホスホネート」と一緒に摂ってはいけないものです。

 

  同時に摂ると「ビスホスホネート」が良く効かなくなってしまいます。

 

  理由はまた後程書きますね。

  
 
   

   

 <危険なのみ合わせをどう防ぐ?>

     

  高齢になればなるほど薬は増え、場合によっては7~10種類内服していることもあります。

 

  そうなると「薬と薬」、「薬と飲食」とののみ合わせの問題が出てきます。

 

 そうすると思わぬ副作用が出たり、あるいは治療効果が得られないことも起こってきます。

     

 基本は、薬の十分な治療効果を得るためには

  

 薬の体内濃度がある一定レベルに保たれることが必要です。

   

 薬を服用すると小腸から吸収されて薬の体内濃度は徐々に上がりピークに達して、

  

 また徐々に下がってきます。

  

 薬の体内濃度が目標とする一定濃度領域にあれば十分な治療効果が得られます。

   

 しかし内服時に、別の薬とか飲食物を摂ると体内濃度が上がり副作用が起こったり、

   

 あるいは逆に濃度が下がって薬の効果が得られずに治療に失敗してしまう場合があります。

  
 
   

 ビスホスホネート(骨粗しょう症の処方薬)は

  

 なぜほかの薬や飲食物と一緒に摂ってはいけないのかその理由のお話になります。

   

 単独で服用すると胃から小腸の方に行き、小腸で腸管から吸収され

  

 上皮細胞を通り血管に入り全身を巡って作用部位の骨に到達します。

 
 
 そして治療効果が発揮されます。

  

 しかしカルシウムを含む食べ物や薬などと一緒に服用した場合、

  

 腸管内で薬とカルシウムが結合してしまい吸収が十分に行われなくなります。

   

 ビスホスホネートは飲食物の成分や薬と結合しやすい薬です。

  

 カルシウムとも結合しやすいです。

   

 しかし、薬の服用時間と食事の時間をずらせば問題はありません。

   

 ビスホスホネートは朝起きてすぐに服用するタイプの薬です。

  

 服用後30分位経ってから朝食を摂るようにすると、

  

 薬とカルシウムの出会いが防ぐことが可能になります。

 

 

 点眼薬も同じです。点眼の回数が決められているのは、薬の作用時間の関係です。

    

 薬効が途切れることなく効いていて欲しいので、

  

 点眼の回数が大変な時もあるかと思いますが、

   

 がんばって点眼お願いします。

  

 次回も 澤田 康文先生のお話続きます。