「糖尿病」とは、血液中のブドウ糖(血糖)が増えすぎた状態が慢性的に続く病気です。

    

                                                  

 「糖尿病」は、「Ⅰ型糖尿病」 と 「Ⅱ型糖尿病」 に分けられます。

  

 「Ⅰ型糖尿病」は 「インスリン依存型糖尿病」とも言われています。

  

 膵臓のインスリンをつくっている細胞がこわされ、

 
 
 インスリンがほとんどつくられない状態になります。

  
 

 「Ⅱ型糖尿病」は インスリンの量が不十分で起こる場合と、

  

 肝臓や筋肉などの細胞がインスリン作用をあまり感じなくなるために、

    

 ブドウ糖がうまく取り入れられなくなって起こる場合があります。

 
 
 生活習慣が大きく関わっていて、およそ95%以上がこのタイプになります。

     
 

   

 今回は 「Ⅱ型糖尿病」 についてお話します。

      

 

 多くの場合、無症状で始まりますが、「糖尿病」がひどくなると、

  

 「尿が多くなる」、「のどが渇く」、「体重が減る」、「疲れやすい」などの症状が出ます。
 
  

 診断は、下にご案内する状態が、 ①が2回、 または ①+②が確認されると、
 
 

 糖尿病と診断されます。

  

 ①「朝食前血糖値 126mg/dl以上」、または、「ブドウ糖負荷試験試験2時間値 200mg/dl

     

   以上」、または、「食後血糖値 200mg/dl以上」のいずれかがある場合。

  

 ②HbA1cが、6.5%(国際標準値)以上の場合。
 
 

 *HbA1cは、今までは日本国内で標準とした方法で測定をし、値(JDS値)を表示していました

    

  が、2012.04.01から、国際標準値(NGSP値)で表記されることになりました。

    

   

    

      JDS値 で 4.9%以下の場合  0.3%プラスすると NGSP値になります

      

      JDS値 で 5.0~9.9%の場合 0.4%プラスすると NGSP値になります

       

      JDS値 で 10.0~14.9%の場合 0.5%プラスすると NGSP値になります

        

     

   HbA1cをどの程度でコントロールするのが良いかは、年齢や合併症などによっても違ってくる

    

  ので、主治医に相談して頂くと良いと思います。

    
 
     

 合併症は、「糖尿病網膜症」、「糖尿病腎症」、「糖尿病神経症」が、

  

 三大合併症とされています。

      

   

  「糖尿病網膜症」は、蚊のような物が見えるなど、症状がある場合もありますが、

 
 
  ほとんどの場合は自覚症状なしに進行します。

 
 
  進行すると眼の奥の網膜に出血や浮腫などが起こり視力が低下することがあります。

   

  治療としては、出血をを抑える薬、血流を改善する薬の内服やレーザーによる治療、

  

  硝子体の手術などがあります。

   

 
      

  「糖尿病性腎症」は、高血糖が続くことにより、腎臓の機能に異常がおこり、血液中の老廃物

     

  や余分な水分を尿として排出できなくなります。たんぱく尿、浮腫、貧血、だるさなどの症状が
 
    

  おこります。進行すると、たんぱくや塩分、カリウムなどの摂取制限や、透析療法が必要とな

    

  ることもあります。

    
 
   

  「糖尿病性神経障害」は、神経細胞の代謝異常や血管の障害などにより、

  

  おこると考えられています。

  

  症状としては、しびれや感覚の低下、痛み、こむらがえりなどがあります。

    

  治療は内服により代謝改善を図ったり、痛みの管理など、対処療法が中心となります。

     

  その他には、足病変や感染症などもあります。   

    
 

    

 「糖尿病」は 病態に合わせて適切な治療を選択し、血糖のコントロールを図り、

   
 
 合併症を予防する事が大切です。

    

 まずは、食事療法、運動療法(低血糖の危険があるので、急な激しい運動は避けましょう)を

   

 行います。

   
 
 食事療法と運動療法で血糖コントロールが不良の場合は、経口血糖下降薬を使用します。

     

 経口血糖下降薬を使用しても、十分にコントロールできない場合は、

    

 インスリン療法を行います。

  

 様々な合併症が起こった場合にも、血糖のコントロールは最も重要です。

  

 医師の指示のもとで、適切に治療を続けていきましょう。

   

 内科で血糖のコントロールを受けている方は、1年に1度は眼底検査を受けましょう。
 
 
                                                                                                                                               aku