《症状》
視界に突然、ギザギザした光が見え、目の前が見えづらくなります。
この状態が数分から、4~50分続きます。これが治まったあと片頭痛が起こることがあり、ひどい場合には吐き気や嘔吐を伴うこともあります。

《原因》
閃輝暗点は、物を見る中枢がある後頭葉(大脳の後ろ)に血液を送っている血管が収縮し、引き続き起こる拡張によって視覚中枢が刺激されるために生ずると言われています。
血管の拡張は、脳内にセロトニンが増えるためであると言われており、セロトニンが脳内で合成される際の材料になるトリプトファン(アミノ酸の一種)を多く含む食品(チーズ、チョコレート、ピーナッツ等)や、血管拡張作用のある一酸化窒素を発生させる亜硝酸塩やレスベラトロールを含む食品(ハム、ソーセージ、ベーコン、赤ワイン等)を多量に摂ると、閃輝暗点が誘発される可能性があります。また、ストレスも発症の要因になります。
最近、研究で分かったことは「まぶしい光」、「デパートの化粧品売り場の照明」や「映画館のスクリーンの光」、更には「太陽光」によって片頭痛が引き起こされることがあります。片頭痛の発症には「内因性光感受性網膜神経節細胞」という細胞が深く関わっています。
片頭痛も閃輝暗点と同様、脳の血管の拡張によって起こるため、強い光が閃輝暗点の原因となっている可能性も考えられます。

《治療》
ストレスを避け、トリプトファンの多い食品や亜硝酸塩を含む食品をなるべく摂らないことが大事です。
サングラスを着用すると、目に入る「太陽光」などの強い光を抑えることが出来ます。
室内照明を白っぽい光(昼光色や昼白色)から、オレンジ系の光(電球色)に変更することで頭痛の頻度が減少したという調査もあります。
閃輝暗点が頻繁に起こる場合は、予防的に血管拡張剤を使うこともあります。
閃輝暗点は片頭痛の前兆として起こることがありますが、高齢の方で、閃輝暗点だけが起こる場合は、脳の器質的病変を伴うことがあり、神経内科等で詳しい検査をした方が良い場合もあります。