日頃から片目ずつチェックを

加齢黄斑変性症とは、網膜の中心に位置する黄斑部が傷むことにより視界の中心部がゆがんで見えたり、暗く見えたり、視力が低下して見たい部分が見えにくくなる病気です。

そもそも「黄斑」とは何でしょうか。
黄斑とは、網膜を撮影した写真を見た時に、真ん中にあり、ほかの網膜より少し黄色く見える部分なのですが、ここで物の色や形を見分けたり、文字を読んだり、良い視力を出すのにとても大切な場所です。

もともと日本では比較的少ない病気でしたが、近年増加傾向にあります。男性に多く、失明原因の4位、また50歳以上のおよそ70人に1人に見られる病気です。ここ数年、当院にも加齢黄斑変性症の患者さんがたくさん来られ、決してめずらしい病気ではなくなっていると感じています。

加齢黄斑変性症はいくつもの要因が重なって発症します。老化が根本的な要因にはなりますが、環境要因として喫煙、食生活や高血圧、動脈硬化といった生活習慣病、また遺伝要因として親の体質を受け継いで、家系的になりやすい人もいます。生活の変化で今の若い人が高齢者になった時の発症率は、さらに増えるかもしれません。

発症すると治療をしても完全に治すのは難しい病気でもありますが、定期的に検査を受け、適切な時期に必要な治療を受けることが大切です。治療を続けることで、視力の維持、改善も期待出来ます。

まずは日常の中で、片目ずつ隠して見え方の確認をしてみましょう。「障子の枠が曲がって見える」とか「視界の中心が暗く見える」などの症状がある時は、早めに眼科医にご相談下さい。

 

ずっと見える情報局 より資料をお借りしました。