以前、点眼薬について載せた事がありますが、おさらいをしながら、使用上の注意についてお話していきます。

「前に処方された薬が残っていたので、それをつけていた」
点眼薬には使用期限が瓶に記載されています。そちらは、未開封の状態での期限となります。開封後は、ほとんどの期限が4週間程度とされています。ただし、混合して使用する点眼薬などで短い使用期限の物もありますので、薬剤師の指示の通りに使用して下さい。薬局などで購入出来る点眼薬は3ヶ月程度の期限が設定されている物もあります。冷暗所など適切な条件で保管されていても、品質の変化や細菌などの混入が考えられますので、開封日から日数が経過した物は廃棄し、お早めに受診する様にして下さい。

「目薬がすぐ終わってしまう」
点眼液がきちんと目に入ったか心配、うまく入れられないなどで何滴も点眼するという話を聞く事があります。
目に効く様に、きちんとつけられているか不安に感じる事がある様ですが、1回に1滴入れば十分です。一杯つけても目から溢れてしまいます。点眼薬の中には防腐剤などの添加剤が入っているものがあるので、1回に何滴も点眼すると、角膜に傷が出来てしまうことがあります。目から溢れた点眼薬によって、目の周りがただれたり、かゆみが出ることもありますので、必ず拭き取って下さい。つけ過ぎない様にする事が大切です。
また、点眼薬が効く様にと、点眼した後に瞬きをした方が良いのではないかと思われている方がいますが、瞬きをすると涙点から鼻涙管を経て鼻に流れてしまうので、薬が吸収されるまで1~5分程目を閉じて、目頭を押さえて下さい。これによって全身への吸収を抑制する効果もあります。

☆点眼の仕方
点眼瓶を利き手で持ち、反対の手の人差し指で下瞼を下げます。顔を上に向け点眼します。視線は上の方にします。また安定しない場合には、非利き手を軽く握ったまま人差し指で下瞼を下げ、その上に利き手を乗せ点眼をすると安定しやすくなります。
容器の先が目やまつ毛に触れない様に注意して下さい。

「時間をおいて点眼をするのが大変」
複数の点眼薬を使用する場合、5分程間隔を空けてつけて下さい。すぐにつけてしまうと前の薬が流れ、十分な効果が得られなくなります。
また点眼の順序に関しては以下を参考にして下さい。

1.医師から指示を受けている場合は、その指示を優先して下さい。
2.よく効かせたい点眼薬を最後につけるようにします。
3.水に溶けにくく吸収されにくい懸濁性点眼薬は後につけます。
4.点眼後にゲル化する点眼薬は薄い膜が形成されるので、他の点眼薬を点眼して10分の間隔を空けて最後に
  点眼します。
5.点眼薬と眼軟膏を併用する場合は、水性点眼薬をはじいてしまう眼軟膏を後につけます。

★点眼をつける順序:水溶性点眼薬⇒懸濁性点眼薬⇒ゲル化点眼薬⇒油性点眼薬⇒眼軟膏