今回で3回目の緑内障のお話になります。
緑内障は視神経乳頭の障害によって起こる病気、という事で、今回はその視神経乳頭についてのお話をします。

人が何かを見て網膜に映った情報は、視細胞という細胞で電気信号に換えられ、神経線維によって情報が送られます。神経線維が集まって束になったものを視神経と言い、視神経によって目から脳へと情報が伝えられます。


視神経乳頭は視神経の眼球への出口ですが、眼底検査で観察する事ができ、眼底の中心よりもやや鼻側にあり、その中心はへこんでいます(乳頭陥凹)。

緑内障では視神経乳頭が眼圧によって眼球の内側から圧迫される事により、神経線維の数が減少し、陥凹が大きくなります。神経線維に障害が生じると、視野が欠ける、視力が低下するなどといった症状が現れます。

しかし、視神経乳頭の強さには個人差がある為、眼圧の数値が正常でも陥凹が大きくなる場合があり、それを正常眼圧緑内障といいます。この場合、正常な眼圧を点眼薬等によって更に下げることにより治療を行います。

緑内障は、自覚症状がほとんどなく、知らないうちに進行している場合があります。ですが一度失われた視神経は元には戻りません。緑内障の診断を受けた場合、定期的な検査や適切な治療を受ける事が大切です。

眼圧検査、視野検査、視神経の状態を確認する眼底検査を行い、薬での治療を行う場合は、薬をきらさない様に、定期的な通院を心掛けて下さい。