複視に対する手術以外の治療方法は、主にプリズムメガネを掛けることでした。しかし、プリズムメガネでは正面を見た時は複視が改善できますが、上下左右などの周辺を見た場合、複視が残ってしまいます。
それを代償しようとして、無意識的に頭の位置を変えることなどにより複視を減らすようにしているため、肩こりや首の疲労などの苦痛を訴えることがあります。
また、片眼を完全に隠すことにより、複視を感じさせなくする方法もありますが、視野が狭くなってしまうという欠点があります。

そこで、新しい治療方法として、プリズムメガネのレンズに遮閉膜(半透明の膜)を貼るという方法が出てきました。
治療の流れは3段階に分かれており、まず第1段階でプリズムメガネを処方して、正面視の複視の消失を目指します。
周辺に複視が残った場合には、第2段階でプリズムメガネに遮閉膜を部分的に貼ります。(下画像)

それでも満足が得られなかった場合は、最終第3段階でプリズムメガネの中心部分に遮閉膜を張ります。
このように片眼を隠すということなく複視の消失を目指すことができますので、「両眼開放」「周辺視での複視の消失」及び「周辺視野の確保」が可能となります。

他施設でこの方法による治療成績を検討した結果、良好な結果を得ています。
ご興味のある方は、お気軽にご相談下さい。(検査は予約制で行っておりますので、事前にご連絡をお願い致します。)