当院のレーザー治療について
当院では、各種網膜疾患、後発白内障、緑内障に対して、適応を十分に検討した上でレーザー治療を行っております。
網膜レーザー診療
糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、中心性漿液性脈絡網膜症、等の網膜疾患の治療を行う際には、術前にOCTアンギオ(光干渉断層血管造影)やOCT(網膜光干渉断層計)を用いて網膜内部の状態を確認します。必要に応じて蛍光眼底造影を行うこともあります。その後、レーザー治療を実施しています。
網膜疾患の治療には、ルミナス社製のマルチカラーレーザー光凝固装置を導入し、症例に応じて、グリーン、イエロー、及びレッドの3波長を用いたレーザー治療を行っております。
レーザー手術による網膜疾患の治療
●網膜裂孔
裂孔周囲の網膜にレーザー光を照射して、凝固して瘢痕を作ります。瘢痕によって網膜は癒着し、網膜剥離へ進行するのを抑える効果があります。
●糖尿病網膜症
網膜の虚血部分にレーザー光を照射し、凝固します。これにより虚血部分の酸素の必要量が減り、新生血管が伸びてくるのを防ぐことができます。
●網膜静脈分枝閉塞症
浮腫が起きている部分にレーザー光を照射して、網膜を凝固します。その結果、網膜の中に溜まっていた水分が吸収され、浮腫が改善します。
●中心性漿液性脈絡網膜症
レーザー照射によって網膜色素上皮からの水分の漏出が抑えられ、網膜の下に貯留した水(漿液性網膜剥離)が消失しています。
YAGレーザー診療
後発白内障の治療に用いるYAGレーザーは、光学的性能の高いエレックス社製ウルトラQの装置を用い、眼内レンズへのレーザーによるダメージを最小限に防いでいます。
後発白内障とは
白内障の手術後、数か月から数年して、また「まぶしくなる」「目がかすむ」ことがあります。これは、「後発白内障」といわれるもので、手術の際に残しておいた水晶体の後嚢が濁ってくるために起こります。
後発白内障は手術の必要がなく、レーザーを使って簡単に濁りを取ることができます。視力はすぐに回復し、入院の必要もありません。