数週間前の肌寒い気候が嘘のように昼間は半袖が丁度良い気温になりましたね。昼間は20度越えの日々、TVなどでは熱中症対策をしましょうというニュースも耳にします。
暑さが増してくると同時に紫外線の量も増えてきます。気象庁のデータからも大体5月頃から増え8月に最高値になるようです。紫外線は皮膚だけでなく目にもダメージを与えます。

短期的なものとしては外で長時間強い紫外線を浴びることで角膜の表面が傷つき、充血や痛み、腫れ等の症状が出る電眼炎(ゆきめ)があります。電眼炎は紫外線に暴露されてから数時間~半日ほど経過してから発症します。目をうまく開けることができなくなったり、目の違和感やものが歪んでみえる感覚、一時的な視力低下や眼瞼痙攣などの症状が現れたりすることもあります。通常1~2日程度で収まりますが、症状が出ている間は擦ったり目に刺激を与えない方がいいでしょう。

長期的なものとしては白内障、加齢黄斑変性症、翼状片などがあげられます。目に入る紫外線のほとんどは目の奥にある網膜に到達する前に角膜表面の涙液や角膜、水晶体でブロックされ、網膜まで届く紫外線は1~2%程度と言われています。一度に届く量としてはほんのわずかですが紫外線による影響が蓄積することで目の様々な部位に障害が起こってきます。
白内障はご存じの方も多いかと思います。水晶体が濁ることにより視力が低下する病気です。加齢によるものが多いですが、他の要因として紫外線を浴びることが多い方に起こりやすいと言われています。
加齢黄斑変性症は黄斑という見るために大切な網膜組織がダメージを受けることにより、像の歪みや視野の欠け、視力低下が起こる病気です。名前の通り加齢が主な原因となりますが紫外線を浴びることが多い方のリスクが高いといわれています。その他喫煙や高血圧、脂質異常症、肥満も発症の要因となります。
翼状片は結膜(白目の部分)の細胞が異常に増殖して、角膜(黒目の部分)へ入り込んでくる病気です。こちらははっきりした原因は分かっていませんが、長期間紫外線を浴びる機会が多い方に起こりやすいといわれています。

目の紫外線予防にはまず一般的に推奨されているUVカットのサングラスやコンタクトレンズ、帽子や日傘の使用がいいでしょう。また、目のバリアになっている涙液を点眼で補ってあげても良いでしょう。
これからの季節、身体も目も紫外線から守っていきましょう。

 

参考:気象庁UVインデックスデータ(2021年)
https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/link_uvindex_month54.html