今回は『緑内障の治療の目標・原則』について、書きたいと思います。

    

 緑内障は、眼圧などの原因により視神経が障害されて、

 視野が狭くなったり部分的に見えなくなったりしてしまう慢性の病気で、

 眼圧を下げることが唯一の治療方法です。

    

 『緑内障治療の原則』は、以下のようになります。

    

   1.治療の目的は、現在の目の機能(視野・視神経機能)を保つ

      

   2.最も確実な治療方法は、眼圧を下げること

      

   3.治療できる原因があれば原因の治療をする

        

   4.早期発見が大切

       

   5.必要最小限の薬剤で最大の効果をあげる

        

   6.治療方法の選択は、薬物(目薬 → 飲み薬) ⇒ レーザー ⇒ 手術 

        

 緑内障の治療の難しいところは、

 眼圧の下降さえ達成すれば必ず緑内障の視神経障害、

 視野変化の進行を停止できるわけではないという点です。

   

 緑内障は眼圧だけが影響する病気ではなく、眼圧に加え、

 虚血因子や遺伝的因子が総合的に関連してくる病気です。

   

 ですから、外来で検査させて頂いた眼圧の数値が、

 いくつだから『ダメ』で いくつだから『良い』と言うことは 非常に難しいのです。

    

 眼圧は 低めに保つ必要はある のですが、

  その目標とする数値には個人差があります。

 眼圧を下げる点眼薬は、薬によって点眼回数が異なります。

 それは 薬の作用の持続時間によって決まります。

 点眼するときには、決められた 回数 と 量 を守ることが重要です。

  

 また、2つ以上の薬を点眼するときは、5分以上間隔をあけるようにしましょう。

 薬に副作用はどうしてもあります。

 もし、目やからだに異常を感じたらすぐに医師に相談ください。

    

 また、目以外の病気を持っている方、特に心臓や喘息などの病気を持っている方、

 他に薬を飲んでおられる方は、治療を始める前に、教えてくださいね。

 使わないほうがよい薬も 病気によってはあります。

   

 眼圧は、いったん治療で下がったとしても、治療を途中で中断してしまうと、

 また上がってしまうので、治療はしっかりと続けていくことが重要です。

  

 定期的に検査を受けて、治療を続ければ、視野と視力は十分保っていけます。

 点眼薬をさすことを生活の一部として取り入れて、

   緑内障と仲良くお付き合いしていきましょう。