夜間、運転などしている時に、遠くでキラリと光る物が見える事があります。近くに寄り、それが動物の目だったなんて事はありませんか。動物の目は、人の目とは作りが違いその環境に適した発達をしています。

夜行性のネコやイヌは基本的には人間の眼の構造と同じですが、網膜の下にタぺタム(輝板)と呼ばれる層が存在します。
タペタムには反射板の役割があり光を反射します。網膜で吸収できなかった光をタペタムが反射し網膜に返し、視神経に伝えます。その為、暗闇でも物を認識する事ができます。タペタムが光を反射する為、目が光って見えるのです。
イヌの中でも、1年中雪のある地域で暮らすシベリアンハスキーなどは、雪が光を反射し十分な光を取り入れられた為、タペタムがないと言われています。ブルーの瞳が光を通しやすいとも言われています。

暗闇でも見えると聞くと、視力がとても良い様に思われるかもしれませんが、ネコやイヌの視力は0.3未満程と言われています。しかし、視野の広さは、ヒトが左右180°から200°に対し、250°以上あります。

またヒトと同じ、網膜が存在しますが、その構造はヒトと違います。
網膜の奥には、光を感じる事のできる視細胞があります。
視細胞には、錐体細胞と杆体細胞があり、錐体は明所で反応し、色を認識する事ができます。杆体は暗所で反応し、暗い光でも反応しますが色を認識する事はできません。錐体は網膜の中央にある黄斑部に集まり、杆体は網膜周辺部に多く存在しています。
ヒトは3種類の錐体を持っていますが、イヌやネコは2種類の錐体しか持っていない為、色は認識しにくいと言われています。
その代わり、杆体細胞はヒトよりも多い為、更に暗闇でも見えやすくなっています。

視力は低くても、動体視力や嗅覚、聴覚などは人間よりもはるかに優れている為、視力を頼らずとも生活が出来るのです。
基本的な眼の構造は同じと前述しましたが、こうして比較してみると、とても違う機能を持っている様に感じます。