毎年春と秋には、学校の視力検査で見えづらくて、視力の用紙を持って来院する子供さんが多くなります。
当院でも四月の終わり頃から、たくさんの子供さんに来院して頂いて、待合室はとても賑やかです。

見えづらいといっても、近視・遠視・乱視と原因は様々です。
眼科で検査することで、子供さんの目の状態を知ることができるので、視力検査で見えにくい場合は受診する事をおすすめします。

今回は近視についてお話しします。
近視は屈折異常の一つで、目に入ってきた光が網膜より手前で像を結ぶため、遠くの物がぼやけて見えます。

●眼軸長(角膜表面から網膜までの長さ)が正常より長すぎる近視を軸性近視といいます。

●眼軸長は標準ですが、角膜や水晶体の屈折力が強いために起こる近視を屈折性近視といいます。

親が近視の場合、子供が近視になる可能性は比較的高くなります。勉強、パソコン、ゲームなど長い時間近くを見ることも、近視になる要因と言われています。
成長に伴い眼軸の長さは伸びていくので、学齢期にはある程度の近視の進行も見られます。
ごく一部の近視は眼軸長が異常に長くなることによって、眼球後方の変形が起こったり、網膜が剥がれてくる「網膜剥離」や網膜の出血などが起こる事があります。

小学校で黒板の字が見える視力として、教室の最前列では0.3以上に、最後列では0.7以上が必要だと言われています。黒板の字が見えづらい場合には、授業に集中出来なくなることもあるので、メガネやコンタクトレンズを装用する必要があります。

画像提供:参天製薬株式会社