日常生活の中で、目をぶつけた経験がある方は割と多いと思いますが、今回は気を付けたい眼球打撲についてお話します。

目は露出しているため、急に手が当たったりボールが当たったりする事が多く、強く目をぶつけた時には誰でもとても心配になるかと思います。
眼球を打撲して角膜(黒目)に傷が付くと、強い痛みは出ますが、点眼によって比較的早く回復します。結膜(白目)が赤くなった場合は、結膜下出血の可能性が高く、一週間ほどで自然にひいてきます。
虹彩根部(茶目)に出血が出た場合も点眼などで回復しますが、眼圧が上がる事があり注意を要します。

眼球打撲の程度がひどいと、目の奥の網膜にまで傷が及び、網膜振盪症(網膜が白っぽくなる事)や網膜出血になったり、更に網膜剥離や硝子体出血を起こし手術が必要になる場合もあります。
強い鈍的な衝撃が目の周りに加わると、眼窩底骨折が生じて眼球運動が阻害され、二重に見える場合があります。
眉毛の外側を強く打つと、視神経を圧迫して急な視力低下を起こします。
いずれも手術が必要になる場合もあります。

またスポーツ時、硬いボールよりも柔らかいボールが目に当たった場合に重症になる事が多いです。
これは硬いボールは眼球の周りの骨が目への直接の衝撃を防ぐのに対し、軟式野球ボールやソフトテニスボールは変形して眼窩に食い込んでしまうので、眼球への衝撃が強くなってしまうためです。先が柔らかいバトミントンのシャトルも重症になる事が多いです。

目をぶつけた時は、見え方や見た目が何ともなくても、網膜剥離など後から目の症状が出てくる場合もあります。眼球を打撲した際には出来るだけ早く眼科を受診しましょう。