姿勢が悪かったり、寝転んでテレビを見たり読書をすると、近視が進んだり、左右の視力に差が出やすくなるといわれています。
これは、姿勢が悪いと目と本の距離が近くなりすぎたり、左右で目と本の距離に差が出たりするためです。
急に近視が進んだ時、姿勢をよくするだけで、ある程度近視の進行を抑制することが可能です。

眼をカメラと比較した時、カメラのレンズ前面からピントを結ぶフィルムまでの長さは、眼では角膜表面から網膜までの距離に相当しています。
この長さを眼軸長といい、成人の平均の値は24mmです。
新生児ではこの眼軸長が17mmと短く、ピントが網膜の後方に結ばれる遠視の状態です。
眼球は網膜の後方にピントがあると眼軸の長さが伸びるとされていて、成長と共に眼球が大きくなって眼軸長が伸びていき、ピントと網膜の距離が近くなって遠視の度は減っていきます。

遠視がなくなってピントが網膜にしっかり合ったまま(=正視の状態)ならいいのですが、眼軸長が伸び続けると、ピントが網膜の前方になってしまい近視になってしまいます。
姿勢が悪く目と本の距離が近いと、近視の状態でも本を読んでいる間はピントが網膜の後方に結ぶため、ちょうど乳幼児の眼軸長が伸びるのと同様の機序で、眼球が後方に伸びて近視が進行するといわれています。
姿勢が悪く、片方の目を近付けた状態で本を読んだ場合にも、その眼のピントが網膜の後方になり、その眼だけ眼軸長が長くなって近視が進むことになります。

近くを見る時間が多いお子さんでも、お天気の良い日に外でよく遊ぶと、近視の進行が抑えられることが分かってきました。
この理由は、明るさの強い太陽光線が網膜に届くことにより、ドーパミン分泌が増えて眼軸長の伸びが抑制されるためではないかとされています。