「物が歪んで見えるので加齢黄斑変性症になったのではないか」

という訴えをされて、患者さんが受診される事が最近しばしばあります。
これは、今まで有効な治療法があまりなかった加齢黄斑変性症に対して、抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬の硝子体注射による治療が可能になり、テレビや新聞などでしばしば取り上げられるようになったためだと思います。

物が歪んで見えることを医学的には変視症、もしくは歪視(わいし)といいます。
これは網膜の中心にあり視力に最も影響する黄斑部に、何らかの病変が生じた場合に起こる現象です。
従って、加齢黄斑変性症以外にも、黄斑上膜、黄斑円孔、中心性漿液性脈絡網膜症、黄斑浮腫など、黄斑部を侵す疾患の多くに変視症が認められます(黄斑浮腫は、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、ぶどう膜炎などに合併します)。
これらの疾患は、いずれも放置しておくと視機能に大きなダメージを与える疾患ですので、早期の治療が必要となってきます。
従って、変視症に気が付いたら、一刻も早く眼科を受診して眼底検査を受けることをお勧めします。

変視症の多くは片眼だけのものですので、注意をしなければいけないことは、両眼で見ていると良い方の眼の働きに助けられて像の歪みに気付かないことが多いことです。
従って、変視症を発見するには、必ず片眼ずつチェックをすることが大切です。家の中で障子の桟などの格子状の物を片眼ずつ見て、症状があるかどうか調べると良いと思います。


●正常な場合


●変視症がある場合